Next Design MCP による AI 連携
Next Design MCP を利用すると、AI エージェントから Next Design のモデルやプロファイルを参照・編集できます。 このページでは、AI エージェントに依頼するときに、意図しない範囲の操作や設定漏れを防ぐための進め方を説明します。
AI エージェントや DC Agentiqs のセットアップについては、こちらを参照してください。
基本の進め方
Next Design MCP を利用した参照・検証・変更の依頼では、目的や操作内容に応じて、次の観点を確認します。
- (A) 実行前の状態(コンテキスト)を確認する
- (B) 目的や操作内容を具体化する
- (C) 小さな単位で変更して確認する
AI エージェントが「完了」と回答しても、実際のモデルのフィールド値、関連、生成件数が期待どおりとは限りません。必ず Next Design 上で結果を確認し、必要に応じて対象ごとの処理結果を精査してください。
(A) 実行前の状態(コンテキスト)を確認する
Next Design MCP では、Next Design での次の状態をコンテキストとして認識します。
- 現在表示しているビューの状態
- ビュー上で選択されているモデル
Next Design MCP に依頼する際は上記の状態を確認したうえで指示することで操作対象を明確にできます。
(B) 目的や操作内容を具体化する
AI エージェントに依頼する作業の目的や操作内容を具体化するため、次のような情報を指示に含めることをおすすめします。
設計モデルを対象とする場合
| 指示に含める情報 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | AIエージェントに達成してほしいこと | 要求とコンポーネントのトレース(導出関連)を確認する |
| 対象 | 操作・検証するモデルを特定する情報 | パッケージ「車両制御」配下の要求モデル |
| 操作内容 | 参照、作成、更新などの操作 | 導出関連を参照し、未設定の要求を一覧にする |
| 関連の種類 | 操作対象とする関連の種類 (*1) | 要求とコンポーネント間の導出関連 |
| 探索条件 | 関連をたどる方向、階層、探索の深さ | 要求の子モデル。子モデルは1階層まで |
| 対象外 | 操作しないパッケージ、モデル、関連 | 参照関連、親モデル、パッケージ「車両制御」以外のモデル |
| 完了条件 | 期待する結果の状態 | 入力必須のフィールド、必要なトレース情報、ビューの表示状態 |
Next Design では、所有関連、参照関連、導出関連を区別して扱います。関連性が複雑な場合、「関連を確認する」のような依頼では、AI エージェントが期待どおりの関連を扱うかが曖昧になる場合があります。そのような場合には、所有関連、参照関連、導出関連のどれを扱うか、また関連をたどる方向を明示することをおすすめします。
AI エージェントは、指示が曖昧で情報が不足していても、推測で情報を補完して処理を進めることがあります。 不足している情報を推測で補完させず、未確認事項や利用者の判断が必要な事項として提示するよう指示することで、不明点を明らかにしながら進めることができます。
プロファイルを対象とする場合
プロファイルのクラス図を作成するときは、工程ごと、または責務ごとに対象範囲と分割単位を指定します。指定しないと、プロファイル全体を含む大きなクラス図が1枚だけ作成される場合があります。
(C) 小さな単位で変更して確認する
一度に多数のモデルを変更すると、対象外のモデルを操作したり、一部の設定が漏れたりする場合があります。対象を小さな単位に分け、少数のモデルで結果を確認してから対象を広げてください。
複数のモデルをまとめて処理すると きは、次の流れを対象単位で繰り返すことをおすすめします。
- 対象を取得し、名前・ID・件数を確認する
- 対象ごとに必要な処理内容を確認し、依頼する
- 処理済み・未処理の対象を一覧で出力させる
- 処理結果を確認し、一覧と照合する
- 処理の区切りでプロジェクトを保存して復元できるようにする
一括処理では、必須フィールドや関連の設定漏れ、対象の重複が起きる場合があります。処理対象のIDや名称を記録し、処理済み件数、未処理、重複の有無を対象件数と照合してください。
処理結果を確認する方法として、変更前後のモデル差分を確認したり、直前のコミットとの差分を確認したりする方法が有用です。
AI エージェントの回答や完了報告を、実際の実行結果の証拠としてそのまま扱わないでください。 「0件」「空」「未設定」という結果も、その回答だけで判断せず、対象モデルの実データ、関連、件数を別の方法で確認します。 AIエージェントには、名称や文脈から推測した内容と、実際に確認できた事実を分けて回答に含めるよう依頼することをおすすめします。
長い会話や大量のコンテキストを扱う場合は、以前の指示が十分に参照されない可能性を考慮し、対象、目的、条件、期待する結果などの必要な情報を改めて明示して依頼します。
対象領域に応じたSkillの作成・追加
ここでいう対象領域とは、共通する設計対象、用語、設計・運用ルールを持つ範囲(ドメイン)を指します。
プロジェクトの規模が大きい場合や、プロファイルに多数のクラスやフィールドが定義されている場合、Next Design MCPの汎用的なスキルだけでは、目的のモデルやクラスを効率的に探索できないことがあります。
また、モデルやクラスの名称だけでは、対象領域に固有の設計意図や運用ルールを判断できない場合があります。
このような場合は、対象領域に応じたSkillを作成・追加することをおすすめします。Skillには、対象領域におけるパッケージ構成やモデルの分類ルール、モデルの作成・変更に関するルールなどを含めておくと、AIエージェントが対象領域の設計や運用に沿ってモデルやクラスを探索、参照、編集しやすくなります。
Skillを作成する
Skillを作成するときは、次のような対象領域に関する情報を記載します。
-
対象領域の概要
- 対象とするドメインおよび設計対象の概要
- 対象領域に固有の用語、略称、命名規則
-
モデルを操作するための情報
- 対象領域におけるパッケージ構成やモデルの分類ルール
- クラスやフィールドの用途、設計上の意図
- フィールドの入力ルールや設定値の意味
- モデルを探すときの起点、検索条件、探索方向
- モデル間に関連やトレースを設定する際のルール
- 要求、機能、コンポーネントなどを追跡する方法
- 作成・変更してよいモデル、参照専用のモデル
- 対象外とするモデルや変更してはいけない項目
- モデルを作成・変更する際の必須項目
-
作業後の確認方法
- 確認するフィールドや関連
- 作成・変更したモデルの件数や処理結果
Skillの内容は、対象領域に共通する設計・運用ルールとして整理し、対象プロジェクトのプロファイルや設計モデルの構造と矛盾しないことを確認してください。対象領域の設計や運用が変更された場合は、Skillの内容も更新してください。
また、Skillや指示に明示されていない事項について、AIエージェントが推測で補完せず、不明点や利用者の判断が必要な事項を利用者に提示するルールも、Skillに含めておくことをおすすめします。
Skillを分割する
Skillを作成する場合は、対象領域全体の情報を一つのSkillにまとめず、設計対象や作業単位ごとに分割します。
例えば、次のように分割します。
- 要求と機能のトレース
- 車両制御コンポーネントの構成
- 安全分析モデルの編集
対象範囲を分割すると、AIエージェントが参照する情報を絞り込めるため、目的のモデルやクラスを探索しやすくなります。
Skillの利用結果を確認する
Skillを利用した場合も、AIエージェントの完了報告だけで判断せず、Next Design上で実際の結果を確認してください。
- Skillで指定した対象範囲内のモデルだけが処理されているか
- 指定したクラス、フィールド、関連のルールが適用されているか
- 必須フィールドや関連の設定漏れがないか
- Skillの対象外としたモデルが変更されていないか
- 処理済み、未処理、重複の件数が期待どおりか
困ったときの見直し方
基本的な対応方法と状況に応じた対応方法に分けて説明します。
基本的な対応方法
- 意図しない変更があった場合は、アンドゥ(Ctrl+Z)で元に戻す。
- 不足があれば追加で依頼して補完する。
状況に応じた対応方法
| 状況 | 見直すポイント |
|---|---|
| 想定外のモデルまで処理された | 対象の ID またはパス、親モデル、対象外の範囲、探索方向・深さを追加する |
| 必須フィールドや関連の一部が設定されていない | 必須項目のチェックリストを渡し、対象ごとの設定結果と件数を確認する |
| 図の構造や表示が期待と異なる | 使用するクラス・フィールド、図の範囲、要素に持たせる情報、表示方法を明示する |
| 結果が空または件数が想定と異なる | 対象範囲と関連の種類を確認し、詳細なモデル情報や個別の対象で再確認する |
| AI エージェントの報告と実際のモデルが一致しない | AI エージェントの解釈と、Next Design上で確認したフィールド値、関連、件数を分けて記録する |
| 必要な条件が不足している | 推測で補完せず、未確認事項や利用者の判断が必要な事項を整理する |
| 多数の対象を処理しきれない | 依頼を対象単位に分け、各対象の処理状況を整理してから次の処理を依頼する |
確認チェックリスト
Next Design MCPを利用する前後に確認する観点を以下に示します。
- 対象外のモデルや関連が処理されていないか
- 対象範囲内での処理済み、未処理、重複などの件数や記録を確認したか
- 変更前後のフィールド値、関連、生成件数が期待どおりになっているか
- 作成・変更したモデルのクラスとフィールド値が期待どおりになっているか
- 関連の種類、方向、探索範囲が期待どおりになっているか
- 画面を操作した場合は、ビュー上の要素や表示状態が期待どおりになっているか
- AI エージェントの完了報告や「0件」「空」という結果だけですべて処理されたと判断していないか
- 不明な条件がある場合、AI エージェントに推測で補完させず、未確認事項や利用者の判断が必要な事項として提示させているか
- プロファイルのクラス図を生成した場合、その対象範囲、分割単位、要素数が期待どおりになっているか
- 対象領域に応じたSkillの作成・追加が有用か検討したか