モデリングガイド
概要
時間軸に沿ってライフライン内および、ライフライン間の状態の変化を表すために、タイミングチャートを利用できます。
このページでは、タイミングチャートを利用するための操作について、次の順で説明します。
- タイミングチャートを配置する
- ライフラインを定義する
- 状態遷移を定義する
- メッセージを定義する
- 時間制約を定義する
- ノートを定義する
また、ユーザーのモデリングを支援するために、次の機能を提供しています。
- タイミング図を装飾する
- モデルを検証する
タイミングチャートを配置する
タイミングチャートを配置するには、以下の手順で行います。
- モデルナビゲータにてパッケージを選択し、 コンテキストメニューの [モデルの追加] > [タイミングモデル] をクリックします。
- 選択したパッケージの子要素に [タイミングモデル] が配置されます。
タイミングモデルには、タイミングチャートを定義するために複数のビューが定義されています。
定義されている ビューは次の通りです。
ビュー名 | 特徴 |
---|---|
状態 | ライフラインの種別や状態を定義できます。 |
遷移 | タイミングに遷移とその遷移先、時間制約、メッセージ、ノートを定義できます。 |
タイミング表 | 定義したライフラインやタイミングなどを表形式で表示します。遷移に着目した設計を、より効率的に行うことができます。 |
タイミング図 | タイミングモデルに定義したデータをもとに、タイミング図を表示します。 |
ライフラインを定義する
次のようなライフラインをタイミング図に定義するには、以下の手順で定義します。
ライフラインを追加する
タイミング図にライフラインを追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[状態] ビューに切り替えます。
- [ライフライン] フィールド上にポインタを移動したときに表示される [+] アイコンのリンクをクリックします。
- ドロップダウンリストの [ライフライン] を選択すると、ライフラインが追加されます。
クロックのような一定の周期で変化する状態を表現するために、クロックライフラインを利用できます。
タイミング図のクロックライフラインを追加するには、以下の手順で行います。
操作手順
- [タイミングモデル] を選択して、[状態] ビューに切り替えます。
- [ライフライン] フィールド上にポインタを移動したときに表示される [+] アイコンのリンクをクリックします。
- ドロップダウンリストの [クロックライフライン] を選択すると、クロックライフラインが追加されます。
- 作成したい周期の情報を [クロックライフライン] の [周期]、[パルス幅]、[オフセット]フィールドに入力すると、周期性のあるライフラインが追加されます。
状態を追加する
タイミング図のライフラインに状態を追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[状態] ビューに切り替えます。
- [ライフライン] の [状態] フィールド上にポインタを移動したときに表示される [+] アイコンのリンクをクリックします。
- ドロップダウンリストの [状態] を選択すると、状態が追加されます。
- 手順3でリストの [不定状態] を選択すると、不定状態を追 加することができます。
状態遷移を定義する
次のような状態遷移をタイミング図に表示するには、以下の手順で定義します。
タイミングを追加する
遷移するタイミングを追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- [タイミングモデル] の行のセルを選択して、ツリーグリッド上部のツールバーのテキストボックスに追加するタイミングの名前を入力して Enter キーを押下します。
- [タイミングモデル] の子の末尾に新規に [タイミング] が追加されます。
遷移を追加する
遷移を追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- 遷移を追加したい [タイミング] の行のセルを選択して、ツリーグリッド上部のツールバーから左端のプルダウンリストを開き、[遷移] を選択します。
- その右のテキストボックスに追加する遷移の名前を入力して Enter キーを押下します。
- [タイミング] の子の末尾に新規に [遷移] が追加されるので、作成したい遷移の情報を [遷移] の [ライフライン]、[遷移先]フィールドに入力します。
[タイミング表] ビューを使用することで効率的に遷移設計を行うことができます。
- [タイミング表] ビューは、ライフラインを行、タイミングを列としたグリッド形式で表示され、セルはその行のライフラインが、そのタイミングで遷移した遷移先の状態が表示されます。
- これによって、ライフライン間の遷移を考慮しつつ、効率的に遷移設計を行うことができます。
設計範囲 外であることを表現するために、特定のライフラインの特定の期間の状態を非表示にすることができます。
特定の期間の状態を非表示にするには、以下の手順で定義します。
操作手順
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- 非表示したい [遷移] の [非表示か] フィールドのチェックボックスを有効にします。
- [タイミング図] ビューに切り替えると、次にそのライフラインが状態遷移するまでの期間の状態が非表示になります。
メッセージを定義する
次のようなメッセージをタイミング図に表示するには、以下の手順で定義します。
メッセージを追加する
ライフライン間のメッセージを追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- メッセージの開始時間となる [タイミング] を選択して、ツリーグリッド上部のツールバーから左端のプルダウンリストを開き、[メッセージ] を選択します。
- その右のテキストボックスに追加するメッセージの名前を入力して Enter キーを押下します。
- 選択した [タイミング] に [メッセージ] が追加されるので、メッセージの始点を [ライフライン] フィールド、終点を [送信先] フィールド、メッセージの終了時間と開始時間の差を [期間] フィールドに入力します。
時間制約を定義する
次のような時間制約をタイミング図に表示するには、以下の手順で定義します。
時間制約を追加する
時間制約を追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- 時間制約の開始時間となる [タイミング] を選択して、ツリーグリッド上部のツールバーから左端のプルダウンリストを開き、[時間制約] を選択します。
- その右のテキストボックスに追加するメッセージの名前を入力して Enter キーを押下します。
- 選択した [タイミング] に [時間制約] が追加されるので、時間制約の設定先を [ライフライン] フィールド、制約をかける時間を [期間] フィールドに入力します。
ノートを定義する
次のようなノートをタイミング図に表示するには、以下の手順で定義します。
ノートを追加する
ノートを追加するには、以下の手順で行います。
- [タイミングモデル] を選択して、[遷移] ビューに切り替えます。
- ノートを追加したい [タイミング] を選択して、ツリーグリッド上部のツールバーから左端のプルダウンリストを開き、[ノート] を選択します。
- その右のテキストボックスに追加するメッセージの名前を入力して Enter キーを押下します。
- 選択した [タイミング] に [ノート] が追加されるので、ノートに表示する内容を [名前] フィールドに入力します。
- ノートは、汎用値ライフラインを指定して追加した時のみ、タイミング図に表示されます。
タイミング図を装飾する
インスペクタの [タイミング図] タブから、タイミング図を装飾することができます。
ハイライトを設定するには、以下の手順で行います。
- インスペクタを表示した状態で、[タイミング] を選択して、[タイミング図] タブに切り替えます。
- [スタイル] グループの [タイミングを強調する] のチェックボックスを有効にします。
- [終了タイミング]、[キャプション]、[塗りつぶし]、[線色] の記入が可能になるので、それぞれ任意の値を設定します。
- [タイミングモデル] の [タイミング図] ビューを表示すると、設定した内容にしたがってハイライトが設定されます。
インスペクタの [タイミング図] タブから、設定可能な装飾は次の通りです。
装飾内容 | 対象モデル(表示名) |
---|---|
タイミング図のタイトル | タイミングモデル |
タイミング図の説明 | タイミングモデル |
タイミング図の拡大率 | タイミングモデル |
タイミング図の目盛り | タイミングモデル |
ハイライト | タイミング |
遷移後状態の背景の色 | 遷移(※1) |
遷移後状態の枠線の色 | 遷移(※1) |
ノートの位置 | ノート |
※1: 遷移が汎用値ライフラインを参照している場合に設定可能になります。
モデルを検証する
タイミングモデルで検証される内容は、次の通りです。
- 非表示であるものを除き、遷移は遷移先状態を持っているか。
- タイミングの値がタイミングモデルで規定する形式で統一されているか。
- ノートが汎用値ライフラインに設定されているか。
- 不定状態の候補状態が二つ以上指定されているか。
- 不定状態の候補状態に不定状態が指定されていないか。
モデルを検証するには、以下の手順で行います。
- リボンから [ホーム] > [モデル] > [エラーチェック] を実行します。
- プロジェクト配下の全てのモデルに対し、不整合な状態の場合は、エラー表示されます。
- 検証結果は自動的に更新されますが、一部の編集操作の際に自動的に更新されないことがあります。タイミング図をご利用の前には、必ず操作手順にしたがって検証を行ってください。